和歌山県有田川町のNomcraft Brewingを訪問してきました。

 当協会でも勉強会などでご活動頂いております立正大学の畢滔滔(ビイ・タオタオ)教授に同行させて頂き先日(2020年8月31日)に和歌山県有田川町にあるNomcraft Brewingさんにインタビューしに行ってきました。こちらはなんと廃園になった保育園の建物を地元・地域の皆さんが利活用するコミュニティスペースにしてできたブルワリーさんで、ポートランド出身のベンさんとシカゴ出身のアダムさん、そしてポートランドで知り合った日本人のタクミさん、3人で始められたブルワリーになります。その生い立ちはぜひNomCraftさんのホームページで詳細ご覧ください。

田殿保育所の跡地にあるNomcraft

 こちらでは毎週2種類のレギュラービールと、1種類の限定ビールを醸造されるとのことで、当日はアダムさんが作業される中、ベンさんにビールの作り方やNomcraftの特徴などを伺いました。醸造場所はもともと給食の調理場だった場所を使っているので、排水の溝などもしっかり出来ていて、とても使いやすいとのことでした。ビールのテイストはアメリカンIPA主体で、IPA好きにはたまらない苦味が特徴です。

元給食の調理場に並ぶタンク
ベンさんから説明を受ける畢教授

 もともと保育園だったので、黒板や、昔使っていた椅子や机などを加工したものなどもあり、オープンマインドで優しい雰囲気に包まれたブルワリーさんです。

アダムと話を伺う畢教授
おしゃれなベンチ
昔の黒板をうまく活用

 ブルワリーの横にあるカフェ”Golden River”にはポートランドのポップアップ的なショップエリアもあり、開放的な雰囲気で、美味しいハンバーガーや出来立てのクラフトビールがたくさん飲めるので、もう雰囲気はポートランドの街角のタップルームでビールを飲んでいる感覚です。笑

Golden Riverのバーカウンター
レストラン内
日本でも有名なOROXやPortland GearのTシャツなどが売られています。
色々なテイストのビールの飲み比べも出来ます。(どれも美味しい!)

 今は有田川町でビール作りに専念されていますが、ベンさんの夢は同じ施設内にゲストハウスを作り、そこにポートランドのクラフトビールの作り手に来てもらい、一緒に醸造に参加してもらうことです。また日本からもポートランドに研修に行ってもらい、相互で技術交流を図り、ここから新しいクラフトビールの作り手がどんどん羽ばたいいてく事を構想されています。早くコロナ禍が収まって、実際の行き来ができる日が戻ってくるのが待ち遠しいです。

奥にシャワールームがある空きルーム(ゲストハウスで狙っていたそうですが、別の入居者が決まったそうです〜。)

 インタビューの後半はこの施設を立ち上げたファウンダーであるオレンジライフの上野山さん、Plus Sotialの有井さんからもこの施設の立ち上げに至ったストーリーや、ポートランドとの繋がり、今後の展望などもお伺いすることができました。ポートランドとのつながりは、コチラをご覧ください。

 また有井さんは2018年にポートランド出身のElijahさん、ユージーン出身のTalonさんと一緒にドキュメンタリーフィルム「CRAFT BEERU」を製作されています。日本各地の醸造所と醸造家たち、そしてクラフトビールに関わる方々の姿とそれぞれの思いを記録した映画で、今ステイホーム期間として一般公開されていますので、お時間あればぜひご覧ください。

 90年代後半から地ビールとして、地域でのビール作りが始まりましたが当時の地ビールはどちらかというとお土産を意識してネーミングだったり、色づけなどを工夫されたりするビールが多かったかと思います。今回訪問したNomcraftさんは逆に観光客ではなく、地元の人とターゲットにしており、ブルワリーの奥のお寺の住職さんがお仕事帰りに一杯飲んでいってくれる、地元の人たちが集ってビールを飲みながら井戸端会議する、そういった地域のコミュニティ・ツールとしての存在次元を目指されています。今日お話を伺って、ぜひその様な地域に愛されるクラフトビールの作り手がここから沢山巣立っていく未来を見てみたいです。

 インタビューにご協力いただいたベンさん、アダムさん、上野山さん、有井さん、お忙しいところ本当にありがとうございました。またゲストハウスができたら遊びに来ます!(*インタビュー自体は畢教授の研究テーマになります。)

最後の記念撮影

事務局
井上

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