2018年8月19日(日)にポートランド市が2週間前にオープンしたばかりの新しいコンセプトの公園 “Gateway Discovery Park” を、ランドスケープ設計・都市計画・アート・アーバンデザインを手がける革新的なデザインスタジオであるPLACEさんに案内され視察してきました。
この地域はポートランドのダウンタウンから東の方、空港近くの低所得者が多く住む地域で移民の方も多く、なんと公園施工にあたってのアセスメントは70言語で行ったそうです。以前より住民との対話の中で、なかなか言語・カルチャーが異なるネイバーフッドとのコミュニティが作りにくく、またもともと治安も悪い中で子供達だけでなく大人も集える”場”がないことがこの地域の問題だったそうです。
そこでポートランド市と一緒にPLACEさんも新しいコンセプトデザインから加わり、どのように子供から若者、シニアまでがそれぞれオープンに楽しめる場所になるかを考え、2014年から公園のデザインをしたとのことです。
この公園では常時市の職員が付いて運営にあたり、週末などには若者が楽しめる映画鑑賞会や、ダンスパーティー、大人が楽しめるオペラなど多くのイベントが予定されています。
視察した当日は移民の方々を祝うマーチイベントOuter Northeast Portland Sunday Parkwaysが開催されており、サイクリングをされるファミリーが多くおられました。
<公園の様子>
市の職員。職員が常駐している公園はまだポートランドでは3箇所しかないとのことです。
この日もステージで歌を歌われていました。
このベンチは盗難防止のため毎日夜は片付けられるそうです。この辺りはやはりまだ治安の問題が残っているようです。
この駐車場はこれから低所得者向けのアフォーダブル住宅と、スモールビジネスができるショプスペースになるとのことです。
この日も多くの子供や大人たちが楽しんでいました。
<市の方からコンセプトの説明>
ポートランド市ではどこでも徒歩20分圏内にグリーンがあることを目標にグリーンインフラ政策を取っていて、この公園も災害時の緊急避難場所も兼ねているとのことです。また今後は夏休みなどに低所得者の子供が給食がないために昼食がとれないことがあるので、そのような子供達に平日にランチを提供するボランティア活動があり、そのような場としても使われるとのことです。
<健康器具>
日本でよく見かけるシニア向けのストレッチ器具ですが、実はポートランド市の公園で設置したのはこちらが初めてだそうです。今、実際にどのような人がどのような時間帯に使っているかをモニターしながら、今後他の公園への展開を図っていきたいとのことです。
<ブランコ>
ブランコも幼児が乗れるように設計してありました。
<砂場>
この砂はオレゴンコーストから持ってきたのですか?とお聞きしたところ、別の場所からだそうですが、子供達が誤って口にしても安全な砂を運んできたとのことでした。子供達は水遊びが好きなので、水が使えるようになっています。
イベントなどが開催しやすいように歩道も広く取ってあります。
サイクリングマーチのゴール地点にテントが出ていて出迎えていました。
<公園のイベントパンフレット>
色々なイベントがびっしり予定されています。
色々ご説明頂いたPLACEのCarol様、Mauricio様、ありがとうございました!
事務局 井上