ポートランドまちづくりスクール体験レポート&ご案内

 以前よりご案内しているポートランドまちづくりスクールですが、11月28日(土)からレギュラー講座が始まって全5回の講義の第2回目までを無事に終えることができました。ここで当講義にご参加いただいているポートランド州立大学(以下PSU)パブリック サービス研究・実践センターでインターナショナルプログラム・アシスタント・コーディネーターをされているルウェレン奈津子様から講義に関してのレポートを頂きましたので、参加者の声としてご紹介させていただきます。またルウェレン様はPSUが毎年夏に開催しているまちづくりプログラムJaLoGoMa(Japanese Local Governance and Management Training Program)も運営メンバーとして関われており、レポートの後にこちらの冬季プログラムのご案内を頂いております。日本での学びと、現地での学びと双方向で学ぶことでより本質的な理解が進めば幸いです。

”日本でポートランドについて研究をされている有識者が、ポートランドの現地レポーターを交えてポートランドのまちづくりについて多方面から紹介するPSACE主催のオンラインセミナーに参加しました。
 どのような点でポートランドが日本の「学び」となっているのか、またどのようにそれが日本で生かされているのかについて非常に興味があり、現地で学ぶ立場として、プレビューセッションから参加しています。
 12月12日(現地時間 12/11)の2回目の「まちづくりスクール」では、『ポートランドの暮らしについて語る』というテーマで、千葉大学大学院の村木美貴先生が登壇されました。セミナーには、先生のご友人であるポートランド州立大学(PSU)行政学学部長の西芝雅美教授も迎え、対話形式にて行われました。”

”今回の講師である村木先生は2000年から2001年にかけて客員研究員としてPSUに在籍され、それ以降もポートランドを訪問されているため、過去20年のまちの変化を見られています。今回のセッションのゲストであるPSUの西芝雅美教授は、ポートランドの多様性・住民参画を専門に研究され、住民、市職員、活動家など、様々な実務者とともに長年に渡り協働され、ご活躍されています。西芝教授は過去17年に渡り、日本の公務員や民間、NPO、学生などを対象にした『まちづくり人材育成プログラム』を主宰されています。これはポートランドの実務家や活動家も交えた「参加型」のプログラムで、次回は来年の1月から2月にオンラインで行われます。詳細は最後に掲載します。”

”今回の講義では、トピックの一つに「ポートランドはみんなグリーン(低炭素)派なのか」が挙げられました。村木先生よりグリーンビルディングについて紹介があり、建物だけでなく、地区全体で LEED 認証を取得していることが説明されました。また、LEED認定を受ける建物は、ミクストユースになっている事が多く、低層部を商業利用にし高層部を住宅にするなど、ポートランドがなぜ歩いていて楽しい空間になっているのか、これまであまり気に留めることはありませんでしたが、このような取り組みはとても画期的で、効率的な環境対策・景観対策になると感じました。”

”セミナーで一番印象的だったのは、開発やプロジェクトにおけるポートランドの行政や住民の「ビジョンの共有とそれに向けた協働」という意識についてです。住民やビジネスは声をあげて、行政はそれを吸い上げる。それぞれが一緒に試行錯誤しながら作り上げるという姿勢や、多様性を重んじる社会だからこそ重視する「Equity(公正性)」についても、開発やプロジェクトには欠かせない要素であることを改めて感じました。
ちょうど、先日プロスパー・ポートランドから私の住む地域の住民に「Notice of public hearing(公聴会のお知らせ)」のハガキが届いたことを思い出しました。まちが住民の声を必要としている、そして、私もまちづくりの一端を担っていることを今回のセミナーを通して再認識させてもらえました。このまちでは住民であり、また、外国人というマイノリティでもあります。傍観するのではなく、当事者としてまちづくりに参加することの必要性を改めて教えられた気がしました。”

”ポートランドまちづくりスクールを通し、ポートランドのまちに興味を持ってもらい、ポートランドから学んでもらえることはとても光栄であり、自分の住むまちを誇りに思います。日本ではビジョンをどのように共有し、どのように住民の「声」が吸い上げられているのでしょうか。また、ポートランドで暮らしているからこそ気になる日本のまちの政策や取り組みなど、日本のまちづくりを考える上での自分の新しい視点と好奇心がとても新鮮に思えました。
まちづくりスクールを受講された方々が、それぞれの気付きや疑問をもとに生活やコミュニティ、そして自分のまちのために声をあげて、多くの人が協働できる社会になれば嬉しいと思いました。”


ポートランド州立大学
パブリックサービス研究・実践センター
インターナショナルプログラム・アシスタント・コーディネーター
ルウェレン奈津子

ポートランド州立大学 パブリックサービス研究・実践センターからのご案内

2020年はコロナに始まり、BLM運動、山火事、大統領選など、激動の1年を駆け抜けたポートランドですが、ポートランド州立大学では、まちづくりのために挑戦し続ける住民を交えた「参加型」のオンラインプログラムまちづくり人材育成プログラム(E-JaLoGoMa )を開催します。

冬季のプログラムは、3回のセッションを隔週にて行います。隔週のセッションには以下のメリットがあります。  

  • 時間をかけて学びをより深い理解へとつなげる
  • セッション外でオンラインのプラットフォームを用いて質疑応答やディスカッションを行う
  • 隔週のセッションの間には、参加者同士でのフォローアップや、ビアストーミング(通称:ビアスト)により、さらに深いディスカッションを行うことが可能(任意参加)
  • 隔週のセッションの間には、参加者同士のネットワーキングが可能
    など

また、オリエンテーションの前に事前学習マテリアルを配信し、理解を深めるワン・ステップを設けており、日本にいながらポートランドのまちづくりについて時間をかけて学んでいただけるプログラムとなっております。

プログラムの概要は以下の通りです。

日程:[日本時間] 2021年1月23日、2月6日、2月20日(土)午前9時から正午
※ セッションには Zoom を使用します。
※ オンラインマテリアルにて事前学習を行っていただきます。
※ プログラム期間中はFacebook等のツールを用い、ディスカッションを行います。
※ プログラム終了時、PDFファイルにて修了書が発行されます。

定員:50名程度(先着順)

費用:$600

締め切り:12月末(定員を満たし次第締め切らせていただきます。)

その他、お申し込みの登録、プログラムの詳細などはプログラム特設ページをご覧ください。また、併せて、夏季プログラムの報告書もこちらからご覧いただけます。

何かご質問等がございましたら、CPSJAPAN@pdx.edu までお気軽にお問い合わせください。

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