2018年11月6日(火)北沢タウンホールにて柳澤恭行先生の勉強会を開催しました。

2018年11月6日(火)北沢タウンホールにて柳澤恭行(やなぎさわ・やすゆき)先生の勉強会を開催しました。柳澤先生は、アメリカオレゴン州ポートランド在住の建築家でポートランド州立大学でシニアフェローを務められており、ポートランドでの市民発の様々なプロジェクトにも取り組まれています。

柳澤先生の講演では、ポートランドのまちづくりにおいて重要な視点であるオープンスペースの活用という観点から、様々なオープンスペースの活用事例について、ご自身で撮影されたビデオなどを使って詳しくご紹介していただきました。

多種多様なオープンスペースの活用事例は、市民の切実な課題認識からはじまっているものから、とにかく楽しみたいということが前面に出ているようなものまで様々な活動たちばかりで、とてもわくわくするものばかりでした。例えば店の前のちょっとした道路空間を小さなスペースとして活用することを通じて、関係する周囲の人たちを巻き込み、さらに活動を重ねていく手法や、複数のオープンスペースをつないでネットワークしていく手法など、たくさんのヒントがありました。

一方で、これらの活動が生まれる背景として、市民が自ら動き出さないと行政サービス(やそれに替わるもの)が受けられないアメリカの自治サービスの実情があることも柳澤先生より指摘され、世田谷との違いを強く認識したところです。しかし、まちづくりを進める上で、条件が一見悪そうに見えるポートランドはその点を逆手にとって、様々な能動的で魅力的なアクションが起こっているのです。

世田谷のまちづくり、地域住民の方たちが都市生活を楽しみながら能動的に自分たちの環境を維持していくためには、何が必要なのか。そんなことを後半では会場のフロアとのディスカッションを行いました。

ポートランドの強みや弱みをひっくるめてどう学ぶか。次に自分は何をしたいのかということにかかっていること、など。個別の能動的な活動の再生産というかネットワーキングの重要性と、市の価値観というかビジョンとの共振による政策への接続方法などとても勉強になりました。局所的に現れる貧困の問題やシリアスな課題とそれでもDIYで超えようと様々な取り組みをしているポートランド。異なるシチュエーションの中で文脈チューニングして世田谷というか日本都市の接点を考えるとてもいい機会になりました。会場からは、これまでの世田谷とポートランドの交流なども紹介され、私たちもさらに色々な方々とネットワークして、交流の輪を広げていきたいと思います。

事務局:中島

シェアする

フォローする